2016年12月7日

【平松陽一】組織を動かす経営計画 16

組織を動かす経営計画


16.総務・管理部門は課題で動かす

総務・管理部門は、営業や製造部門に比べると、目標値が
設定しにくいのが現実です。そのために、人事評価では
各部門の平均値で評価を決めている企業が多いのです。
だから、総務管理部門では業績に対しての興味が持てないでいる
ということをよく見かけます。

総務・管理部門は、期間を明確にして、その期間で何をするかという
新しい改善、改革をベースにしたものを考えるべきです。
総務・管理部門は、直接損益に表れることは難しいのが現実ですが、
さりとて給料計算、伝票発行、申請書の代筆が中心となってしまっている
企業が多いのも現実ではないでしょうか。
そのような企業の特徴は、何となく元気がないというところがあります。
つまり、総務・管理部門の雰囲気が重いのです。
そこで、何をすべきか(やらなければならないのか)の課題を分かりやすく
設定することです。
例えば、総務部門の課題として給料計算システムを導入するのであれば、

予算はいくらで、
どのソフト会社のもので、
いつから動かすのか、
そのための準備期間はどれくらいとるか、

ということです。こうすることにより、本当に予定された時期にスタートしているか、
今どれ位まできているかを測定することが出来るのです。
もう1つは、例外を感じ、目を養うことです。総務・管理部門は黙って言われたことを
やっていればよいと思い込んでいる、総務部長が多いものです。
実際にあったことですが、経理の伝票を処理している若い社員に、
何かいつもと違うものがあったら申告して下さい、ということを課題としたのです。
すると、若い社員から「数値を見ていると、売掛が確実に増える傾向にある」と言うのです。
言われて調べてみると、確かに増えているので、総務部長に聞いてみると、
曖昧な答えしか出てこないのです。それどころか、この総務部長は若い社員に対して、
「何で余計なことを言ったのだ」と叱責したというのです。
そこで、トップと私でこの総務部長を呼んで、本来計数管理は総務の仕事であり、
そこから出てきたものでおかしいと思われるものについては、トップに上げてもらわなくては困る
ということを話したのです。しかし、この総務部長が交代するのに2年かけることになったのです。


次回:2016年12月21日 掲載

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