2014年4月15日

【平松陽一】人と仕事と仕組みの『スリーバランスセオリー』 6

スリーバランスセオリー


6.「うちの会社は特殊」
      でコンサルタントを追い払う



コンサルタントの撃退法をお教えしよう。
それは、「うちの会社は特殊なので…」ということだ。私はこの言葉を何回も言われてきた。
だから、若い頃にはすごい会社があるものだと思ったものだ。
また、セミナーなどではそれを打ち出して、特殊性を訴えるものがある。
ところが、この言葉に従うのであれば、世の中の会社の多くは特殊な会社ということになる。
日本全国至るところに特殊な会社が存在することとなる。
そもそも変わっている、特殊であるということは、長続きするものではない。
ファッション業界などで「あれは変わっているな…」と思っていても、
やがて何年かすると、ごく一般的になってしまう。

誰でも分かるのは、100年続いている会社の方が10年目の会社よりも長続きするのではないか、
という仮説である。

永年に渡り老舗経営を研究しているが、永年続く企業の共通点を探りだそうとしても
できないという結論に到達した。
あえて言うならば、「経営者が一生懸命働くこと」と言いたいが、これも怪しい。

そもそも企業経営が続くためには、何をしなければならないのか。
それは、差別化だということは、誰でも知っていることだ。
ところが、その差別化がよくわからないのは、特別ということがないのだということである。
それなのに、自分の会社が特殊だと思っていることは、実はそう言ってみたいからだろう。
ところが、多くの人は言葉に反応して、そう思い込んでしまう。

だから、経営コンサルタントを依頼する時、この言葉に反応する位のコンサルタントなら、
最初から依頼しない方がよいのだ。


[前回へ][次回へ]

平松 陽一へのお問合せはこちら