苅谷 剛彦 著「学校って何だろう―教育の社会学入門」を読むことで、学校をよくするためのヒントが見えてくると思います。
本書では、これまで考えられてきた学校や勉強についての「常識」を複眼的に問いなおしているのが特徴で、最後までスラッと読むことができるのが魅力です。そもそも、なぜ学校に通わなければならないのか?なぜ校則があるのか?など、当たり前だった疑問を徹底的に追求しています。
「学ぶことの意味」を再び掴みとるための基本図書となっているため、読者はいい意味で考えさせられると思います。
学校、そして教育というものが今後どのようになっていくのか?そして、それと向かい合っていくためにどうしたらいいのか?学生を抱える方や教育関係者にもオススメできる、貴重な1冊だと思います。
「学校って何だろう―教育の社会学入門」レビュー
本書では学校にかかわる当たり前で済まされてきた多くの疑問を出発点とし、学校や教育のことを考えるヒントが書かれた1冊になっている。
ただし、本書に書かれていることは解決策ではない。ヒントをどのようにして捉えるかが重要になる。
全体的に非常に読みやすい内容になっており、分かりやすい言葉で書かれているのが特徴だ。学校の秘密を明らかにしていくことで、学校をこれまでと異なった視点で確認することができるだろう。
だが、それからの答えを導き出すためのルートはすべて読者にかかっている。今の学校という制度を十分に知ることはできるが、今後の学校とどのように関わっていくかは読者次第といったところだ。
そういった意味では非常にユニークで参考になる書籍と言えるだろう。